診療内容

2次手術と矯正治療

 インプラント治療は、チタンという骨と結合する材料の開発により、飛躍的に改善されました。しかし、インプラントと骨の結合が得られるまでに、3ヵ月から6ヶ月という時間を要します。 こうした結合や再生といった骨の治癒が完了した後、骨の中に埋入したインプラントに歯の土台となるもの(アバットメント)を挿入するため、歯肉に小さな穴を開ける治療(2次手術)を行います。

この患者さまには隣の歯の傾斜が認められた為、最終的な補綴治療(診療内容の補綴治療の項目を参照)の前に、簡単な矯正治療(下の写真の金属装置部分:診療内容の矯正の項目参照)も併せて行いました。インプラント埋入箇所には仮歯(下の写真のプロビショナルクラウン:診療内容の基礎治療・咬合治療を参照)を装着し、噛み合わせの構築と審美的回復を行いました。矯正開始時に見られた隙間(左下写真の)が約1カ月後には解消され(右下写真の)、インプラント埋入部位の歯肉の状態もほぼ回復しましたが、後方の大臼歯の傾斜だけは解消されませんでした。これを改善するために更なる矯正治療を提案いたしましたが、患者さまの承諾が得られなかったため、この大臼歯の矯正による整直を諦め、歯を削ることなく被せ処置だけで噛み合わせを修正しました。
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矯正開始時の口腔内写真矯正中の口腔内写真

IACと定期検診

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最終治療後に側面からみた口腔内写真最終治療後に上からみた口腔内写真

 矯正治療が終了した後、インプラント埋入後7カ月で、プロビショナルクラウンを撤去し、最終的な補綴治療を行いました。今回は、セメントによる合着を行わないIAC(Integrated Abutment Crown)という方法で行いました。

 当院では、インプラント治療を受けられた患者さまに対しては特に定期検診を徹底して行っております。上の口腔内写真はIAC装着後2カ月のものですが、歯肉の状態は良好に保たれていました。

  さらに、この患者さまに対してはIAC装着後4カ月、7カ月、1年1カ月、1年11カ月の定期検診を実施しましたが、インプラントならびに残存歯の状態は良好であり、口腔衛生状態、咬合関係も良好であったため、1年間隔の定期的管理を現在継続しています。
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IAC装着後3年3ヶ月のパノラマエックス線写真

CureからCareへ―最良の治療を目指して

 今回の症例では、隣在歯を削らず、負担もかけることなく、永久歯胚の先天性欠損を機能的に回復できました。しかしながら、当院ではインプラント治療を行うことだけを目的としておりません。問題点を一時的に対処するためだけのCureよりも長期的な視点に立ち、成長発育による将来予測を通じたCareを実践することが何より大切だと考えております。

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